top of page
屋外でのミーティング

労災制度について

INDUSTRIAL ACCIDENT

ホーム  |  労災制度について

労働災害とは

労働災害とは何でしょうか。

業務災害と通勤災害の2つがあり、いずれかにあたるときに労働災害として、労働者災害補償保険(労災保険)の対象とされます。労働者側で使用者の過失を立証する必要はなく(無過失責任)、業務の遂行に内在する危険性が現実化したものであれば労災保険給付がなされます。※後に触れますが、会社に対する損害賠償請求をする場合には、使用者に何らかの過失があることが求められます。

整備作業

業務災害

業務災害とは、労働者が使用者の支配下にある状態で(業務遂行性)、業務と因果関係がある人身傷害が生じた(業務起因性)ことを言います。

通勤災害

通勤災害とは、通勤によって労働者が被った傷病等をいいます。※通勤中や交通事故も含まれます。

※ここでの「通勤」とは、就業に関し、(1)住居と就業場所との間の往復、(2)単身赴任先住居と帰省先住居との間の移動、(3)就業場所から他の就業場所への移動を、合理的な経路及び方法で行うことをいいます(ただし、業務の性質を有するものを除きます。)。

怪我・病気

・骨折、切断、靭帯の損傷、視力低下、失明、聴力低下、臓器障害など

​・職業上の腰痛も労災の対象になることがあります。

脳・心臓疾患

(脳出血・くも膜下出血・脳梗塞・高血圧性脳症・心筋梗塞・狭心症・心停止(心臓性突然死含む)・重篤な心不全・大動脈解離など)

業務による明らかな過重負荷を原因に発症したときに業務上の疾病として労働災害と認定されます。労働時間(長時間労働)と労働時間以外負荷要因が総合的に考慮されます。

※長時間労働の例

発症前1か月の時間外労働がおおむね100時間を超える場合、発症前2か月間ないし6か月間わたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合など

精神疾患・過労死

労災の対象となる精神病(疾患)を発病していること(うつ病、急性ストレス反応、双極性感情障害、適応障害など)、発病前のおおむね6か月の間において、業務による強い心理的負荷があったこと(発病直前1か月におおむね160時間以上の長時間労働や退職強要など)、 業務以外の心理的負荷や本人の個性によって発病したものではない、これらすべてを満たすときに労災認定されます。

労災としての精神疾患が発病した人が自殺を図った場合は、原則としてその死亡は労災認定されます。

労働災害に遭ったときの対応

労働災害にあってしまった場合、怪我を治療するための治療費などがかかるうえ、会社を休まなければならないこともありますが、労働基準監督署へ労災申請をして、労災認定を受けられれば労災保険から給付を受けられます。

01

労災事故に遭ったときは、まずは会社に連絡をして具体的な労災事故内容を報告してください。

02

病院へ行って医師の診察を受けてください。そのとき、労災事故であることを説明してください。労災指定医療機関で受診すれば、医療費が労災保険から直接支払われます。労災指定医療機関でなければ、一旦費用を立替えて労災保険から後日支払ってもらうことになります。

03

受けたい給付に応じた申請書を労働基準監督署に提出することになります。このとき、会社の証明など会社の協力が必要になりますが、協力を得られない場合でも、労災保険が使えないわけではありません。会社が協力的な態度を示さない場合は弁護士へ相談してみてください。

5.png

主な給付内容は以下のとおりです。

01
療養(補償)給付(時効2年)

・労災指定医療機関の場合:治療を受ける医療機関に「療養補償給付たる療養の給付請求書」(様式第5号:業務災害)を提出してください。請求書は医療機関を経由して労働基準監督署長に提出されます。

・労災指定医療機関以外の場合:労働基準監督署へ「療養補償給付及び複数事業労働者療養給付たる療養の費用請求書」(様式第7号)を提出してください。

02
休業(補償)給付(時効2年)

労災によって生じた病気やケガの療養のため働くことができないため賃金を受けられないとき、休業4日目から休業1日につき原則として給付基礎日額(直前3か月の賃金総額をその期間の暦日で割った1日当たりの金額)の60%相当額の給付が行われます。休業特別支給金として、休業4日目から、休業1日につき給付基礎日額の20%相当額の給付が行われます。

「休業補償給付支給請求書」様式8号を労働基準監督署へ提出してください。

03
傷病(補償)年金

・療養開始後1年6か月を経過した日おいても治ゆ(症状固定)していない場合で、傷病等級表第3級以上に該当する重い傷病に該当するとき、休業給付とは別に傷病(保障)年金が支給されます。先の③「障害(保障)給付」は症状固定後に支給されますが、傷病(保障)年金は症状固定前の期間について支給されます。

・傷病等級表は次の参考URLのとおりです。https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-13_0010.pdf 厚生労働省HP 傷病等級表

04
障害(補償)給付(時効5年)

・業務または通勤による負傷や傷病が「治ったとき」(傷病の症状が安定し、医学上一般に認められた治療を行ってもその治療効果が期待できなくなったとき=症状固定)に、残存症状がある場合、後遺障害等級の認定がされる可能性があります。

・認定された後遺障害等級に応じて、年金(1~7級)や一時金(8級~14級)が支給されます。障害等級と対応する支給金額は、次の参考URLの障害等級表のとおりです。(https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken03/index.html 厚生労働省HP 障害等級表)

・労働基準監督署へ「傷害補償給付支給申請書」(様式第10号)と労働者災害補償給付診断書を提出してください。

・適切な後遺障害等級認定を受けるためにもこの時点で弁護士へ相談することをお勧めします。

05
遺族(補償)給付(時効5年)

・労災による病気やケガによって、労働者が死亡してしまった場合、遺族に対して、遺族に対する生活保障の意味合いで、遺族に対して一定の給付が行われます。

・受給できるのは労働者の死亡当時に労働者の収入によって生計を維持していた配偶者(内縁関係にある者も含む)・子・父母・兄弟姉妹などの方です。ただし、妻以外の方は年齢と障害の有無による限定があります。

06
葬祭料・葬祭給付(時効2年)

・被災労働者が死亡した場合、葬儀費用を補塡(ほてん)するために、遺族に対して、315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた額(その額が給付基礎日額の60日分に満たない場合は、給付基礎日額の60日分)が給付されます。葬祭費用の実費が支給されるものでないことに注意が必要です。

労災申請書式は厚労省HPからダウンロードできます。

労災認定に対する不服申し立て

⑴審査請求

労働基準監督署長が行なった保険給付に関する決定に対して不服がある場合、その決定をした労働基準監督署の所在地を管轄する労働局に置かれている労働者災害補償保険審査官に審査請求をすることができます。

審査請求は、保険給付に関する決定があったことを知った日の翌日から3か月以内にしなければなりません。

労働基準監督署長の決定に不服がある場合でも、裁判所へ取消訴訟を提起する前に審査請求をしなければならないとされています。

弁護士
裁判官

⑵再審査請求

審査請求の結果に不服がある場合や審査請求後3ヶ月を経過しても審査官による決定がない場合には、労働保険審査会へ再審査請求することができます。

再審査請求は、労災保険審査官の決定書が送付された日の翌日から起算して2か月以内にしなければなりません。

⑶取消訴訟

審査請求の結果に不服がある場合や審査請求後3ヶ月を経過しても審査官による決定がない場合には、地方裁判所へ労働基準監督署長の決定を取り消すように求める取消訴訟を提起することができます。

取消訴訟の提起は、審査請求又は再審査請求に対して棄却等の決定があったこと(審査官の決定がないまま3か月を経過した場合も含みます。)を知った日から6か月以内にしなければなりません。

裁判官の本のゲラ

会社(事業主)に対する損害賠償請求

⑴不法行為責任、安全配慮義務違反

労災保険金を受給できたとしても、人的損害の全てが補填されたとは限らず、会社に対してさらに追加で損害賠償請求できる場合があります。

ただし、会社が損害賠償義務を負うのは、会社に過失があり不法行為が成立する場合や安全配慮義務違反となる場合です。会社に対する請求ができるか、この段階で一度必ず弁護士に相談してください。

⑵会社に追加請求できる可能性がある損害

休業損害:労災保険では、傷病等により仕事ができず賃金を受け取れなかった損害(休業損害)の60%分しか支給されません。残りの40%分を会社に請求できる場合があります。

逸失利益;後遺障害等級認定がされた場合、将来の稼働能力が制限され収入が減少することが見込まれますが(逸失利益)、労災保険から支給される障害補償給付はその一部にとどまります。労災保険から支給されない逸失利益分を会社に請求できる場合があります。

慰謝料:労災保険では慰謝料という概念がありません。入通院期間に対応する慰謝料や後遺障害に対する慰謝料を会社に請求できる場合があります。

⑶過失相殺の可能性

ただし、労災事故の発生の原因が労働者にもあったと言える場合には、損害の公平な分担の見地から、労働者側の落ち度を考慮して、会社の損害賠償義務が減額されるときがあります。これを過失相殺といいます。

⑷会社との解決方法

適正な損害賠償額を交渉した結果、会社と今後の関係性を考えて示談することもありますし、会社との関係性は損なわれても良いとの考えで訴訟をすることもあります。

会社に十分な資金がなくとも、労災保険に上乗せする任意保険を会社がかけていることもあります。どのような解決をすべきかは、個別の事案の内容や交渉の経緯をもとに考えることになります。

ひとりひとりの不安に寄り添い、安心の暮らしを応援します

受付時間:(平日)AM 09:30~PM 05:30

bottom of page